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壁に沿う乱流は同じレイノルズ数の層流に比べて格段に壁面での摩擦抵抗が大きくなり、これが高速鉄道、航空機、船舶などの高速輸送機器におけるエネルギー損失の大きな原因となっています。本研究ではアクティブ制御あるいはパッシブ制御をも用いてこの乱流摩擦抵抗を低減させる研究を行っています。また同時に摩擦抵抗を一定に保ちつつ、伝熱だけを促進させる研究も行っています。
円柱や角柱など、流線形ではない物体「鈍頭物体」が流れから受ける抵抗(主に圧力抵抗)もエネルギー損失の原因となります。またこれら鈍頭物体の後方ではしばしば流れが剥離することによって渦が交互に放出され、これが振動や騒音の原因ともなります。本研究ではアクティブ制御あるいはパッシブ制御をも用いてこれらを低減させる研究を行っています。また、パッシブ制御の一つとして、数値シミュレーションを用いて動的に形状最適化を行う研究も行っています。
近年、数値シミュレーション技術や実験技術の発達により、乱流を始めとする複雑流れの時空間データが容易に取得できるようになってきました。しかしそれらは数百万~数百億の自由度を持つため、モデリングや制御を困難なものにしています。本研究では、Resolvent解析などの線形理論に基づく乱流のフィードバック制御手法の提案や、機械学習を用いた乱流モデリングや入口乱流生成器の開発を進めており、将来的には線形理論と機械学習を融合した流れの特徴抽出手法の構築を目指しています。
![]() Fukami et al. Phys. Rev. Fluids (2019). |